Extreme Toyota: Radical Contradictions That Drive Success at the World’s Best Manufacturer / Emi Osono, Norihiko Shimizu, Hirotaka Takeuchi
YL(難易度):未記載 ページ数 :320ページ
ストーリー
トヨタの強さの秘密は何か?日本を代表する3人の経営学者が英語で書き下ろし、世界に発表した本です。
6年に及ぶリサーチと11カ国で合計220を超えるインタビューからトヨタの経営を解き明かします。
「6年の調査によって、我々はトヨタを動かす6つのフォースを見出した。それらはイノベーショとリニューアルを継続する為に、互いにひしめき合い、人の創造性の鏡でもある。」レクサスの成功例にみる6つのフォースからトヨタの世界が広がります。
何がトヨタを強くさせるのか、何をトヨタから学べるのか、世界中のビジネスマンに告げるメッセージです。
おすすめのポイント
日本人に馴染みの深いトヨタの強さを体系的に解説した本で、組織運営、イノベーションの生みだし方、創業者の哲学、人材育成、現地化などそのメカニズムが表現されており、学生から企業経営者まで幅広い層にとって有用な本です。
またこの本ではトヨタは平穏→成長→平穏→成長とその繰り返しがされているという興味深い筆者の視点が挙げられ、その裏づけとなった6年にわたる調査の質と量を感じる一冊でもあります。
車メーカーは秘匿性が高い為か、これくらいの現場の調査によって詳細に書かれた本はあまり無く、そこがこの本の一番の価値なのでは無いかと思います
個人的な感想
日本を代表する経営学者が書いた為、洞察が鋭く非常に良く書かれていると思いました。今までトヨタについては、カイゼン、トヨタ生産方式、レクサスくらいしかイメージが無く、表面的な知識しか持ち合わせていなかったので、この本を通じてトヨタについて詳しく知る事が出来きました。
トヨタについての解説でもあり、経営学者による論文でもあるので、やや難解な部分もありますが、その分読み応えがあります。
この本を読んで思ったのは、トヨタはメーカーでもありますが、お客様を第一にする知識集団でもあるのだなという点です。
筆者はMBAの教授なので、この本を読んだらMBAの一学期を修了した気になります。それくらい充実した内容でした。
読解には相応の英語力と実務経験が必要かと思われますが、個人的には実務者向けの本であろうと思います。
またトヨタはいわば日本の共通言語なので、このような本を一冊読んでおくと話のネタにもなり読んで無駄ではなかったと思います。