【中級者用7冊目】Ten Rules for Strategic Innovators: From Idea to Execution

中級者用

Ten Rules for Strategic Innovators: From Idea to Execution / Vijay Govindarajan, Chris Trimble

YL(難易度):未記載   ページ数 :224ページ

Ten Rules for Strategic Innovators

 

ストーリー

アメリカでも著名な経営学者が企業の戦略的イノベーションに必要な10つのルールを提唱しました。

コーニング社のガラス技術、ニューヨークタイムズ社のデジタル版進出などのケースを通じて、著者が主張するのは成功する為には「創る」のでは無く、「借りる」という概念です。

「戦略的なイノベーション」と「借りる」というアクションを結びつけ、アイデアから実行までの道のりを示したビジネスマンへの指南書です。

多くのグローバル企業のトップが著者の指摘に同感しコメントを寄せた経営戦略理論の支柱とも言える一冊です。

 

 

おすすめのポイント

「忘れる」「借りる」「学習する」という人が日常的に経験するアクションを企業運営にあてはめ、企業が成長するにはそのプロセスを踏まなければいけない、という独自の主張が展開されている点が、想定された読者である管理職~経営者にとっての最大のメッセージだと思います。

またイノベーションや新規事業に付随される反対勢力やパワーバランス対する考え方など、ビジネスマンにとって理論的、精神的に支えになるのでお勧めします。

また、複数の業界のケースを取り上げている事も参考になります。

10つのルールといってもあくまで過去の事例を分析し、ポイントを伝えているので、難しい本と思わず、「他社での参考事例」として気軽に構えた方が著者のメッセージが伝わるかと思います。

 

 

個人的な感想

アメリカでもイノベーションに関する著作で有名な学者が書いた本で、高い英語力や単語力というより実務に基づいた読解力が必要な本だと思いました。

その分、日本語で発売されている成長戦略に関する本よりメッセージ性が強く、本の中で表現されている図式やチャートを、実務にあてはめて考えられる経験者向けの本かと思いました。

イノベーションという広義的なテーマを取り上げているので、最初は内容が分かりづらく、冒頭が理解できないと最後まで読みきれないストーリー仕立てですが、読み終えるとイノベーションの為に「借りる」とは一体どういう事が分かり、すっきりした感覚はあります。

英語が得意な方でも理解するのに多少時間を要するだろうとは思いますが、なぞなぞや大学院の講義と思って少しずつ読めば、結果的には保管しておきたい本になると思います。

また、多少なりとも実務で技術についての関わりがあれば、より内容が理解できるでしょう。決して大企業だけが参考にすべきものでは無く、企業を成長させたいと思う人全てにうってつけの本だと思います。

 

 

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